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非常時の資金繰りの裏ワザ


商売を続けていると、どうやっても月末の支払が工面できないケースがあります。

そういう場合でも、みすみす会社を潰すわけにはいかない。
では、いったいどうしたらよいのか?

これから述べることは、そうした経営者を苦しい境地から救うための究極の裏ワザです。

しかし、それらの方法は、禁断の木の実であること頭に入れておいて下さい。
取り扱いを一歩間違えると、地獄へ真っ逆さまに落ちていきます。

「これしか方法はない」という場合以外には、決して利用しないで下さい。


● 融通手形を割引する

融通手形とは、商取引を伴わない、お金の工面のために振り出す手形のことです。

本来、手形というものは、商取引の支払分として振り出します。
手形を受け取った取引先は、それを銀行に持ち込み、割引をしてもらうことによって、現金に替えます。
手形の振り出し先は、期日までに手形の額面金額を銀行に入金すれば、無事に決済が終了します。

しかし、融通手形はそうではありません。
相手から貸してもらった手形を利用して、銀行でそれを割引することにより、自分の会社の資金繰りを助けてもらうために行う行為です。
つまり、手形を振り出した先は、受け取るほうにお金を貸すのと同じことなのです。

けれど、手形を振り出した先は、期日が来れば自分の銀行口座にお金を入金しなければなりません。
口座にお金がなければ不渡りになってしまいますので、当然のことです。
では、どうやってそのお金を、振り出し先は用意するのか。
手形を受け取った先が、すんなりお金を貸してくれれば良いのですが、その時になって「もう少し待ってくれ」では、大変なことになってしまいます。

だから、その予防策として、受け取った方も、振り出してくれた先に自分の会社の手形を渡すのです。
期日は当然、振り出してもらった期日の直前に設定します。

これは非常に危険な行為といえます。
なぜなら、資金繰りを助けてもらった先が、期日に資金を用意できなかった場合は、共倒れになってしまうからです。
これが連鎖倒産です。

もちろん、このことが銀行にバレたら、その時点で取引停止です。
もう二度とその銀行から融資を受けることは出来ません。

それと同時に、融通手形の恐ろしいところは、一度こちらから頼んだ経緯があると、その後先方から融通手形の話を持ちかけられた場合、断りきれないというところです。

融通手形をやらざるを得ないということは、相当資金繰りに困っているということです。
あなたは期日までにお金を用意できるかもしれませんが、相手もそうであるという保証はどこにもありません。

融通手形が原因で倒産した会社をたくさん見てきましたので、くれぐれも取り扱いには注意して下さい。


● 商工ローンを利用する

商工ローンとは、出資法の限度でお金を貸すところです。

現在の金利は30%くらいですから、銀行の約10倍です。
100万円借りて1年後には130万円返さなくてはなりませんので、純利益率が30%なければなりません。
世の中にそんなに儲かる商売は存在しません。
つまり、商工ローンを使うということは、倒産への道を着実に歩んでいるということです。

しかし、どうしてもお金が必要な時には、使わざるを得ないこともあります。
その時の注意事項は一つだけ。
必ず1~3ヶ月以内に返済すること。
これさえ厳守していれば、金利はそれほど気にすることはありません。
もちろん使わないに越したことはありませんが、やむを得ない場合は、しょうがないと思います。

けれども、利用する際には、以下の点には、くれぐれも注意して下さい。


1.スポーツ新聞に掲載されている業者には、絶対に電話しない

スポーツ新聞やレジャー新聞を開くと、これでもかというくらい融資の広告が掲載されています。
金利も数%ですし、すぐに貸してくれる旨の内容がそこには書かれています。

ついつい電話をしてみようかという気になるかもしれませんが、電話をしたら、その瞬間からあなたは破滅です。
なぜなら、そこに広告を出している業者のほとんどは、年利30%どころではないからです。
下手をすると、10日で1割という超高金利の業者の場合もあります。

商工ローンを利用したいのであれば、一応名前を聞いたことがある業者に連絡して下さい。


2.返せるはずだった商工ローンが、長引きそうな場合はどうする?

これもよくあるケースです。
2ヶ月後の入金を当てにして商工ローンを使ったのはよいが、入金ズレのためジャンプせざるを得なくなった。
このままズルズルと高い金利を払い続けなくてはならないのか。

その場合の商工ローン返済の裏ワザをお教えします。
それは、「銀行で借りて返す」ということです。

「えぇ!そんなことできるのか!?」と思われたかもしれませんが、タイミングを間違えなければ可能です。
銀行というところは、内部情報により、融資をやりたがる時期があります。
そのタイミングを見計らって、融資の申し込みをするのです。
また、限られてはいますが、商工ローンの肩代わりをしてくれる銀行もあります。
もちろん、そのためには、ほとんどの銀行の融資状況を把握する必要があります。
あなたがこれをやろうとすると無理がありますが、そうした事情を日頃から入手している先であれば十分可能な作業です。

もちろん、タイミングだけでなく、銀行のどの商品を申し込むべきかも選別しなければなりません。
なぜなら、商品によって、調査する個人情報のレベルが違うからです。
商工ローンで借りている情報を入手できる商品に申し込んでしまえば、一発でアウトです。
もうその銀行から借り入れすることは出来ません。

このあたりの作業は、非常にデリケートなものなので、くれぐれも申し込み時には注意して下さい。


3.商工ローンに振り出す手形は、融資を受けている銀行の手形にしない

手形というものは、受け取った先が手形の裏に氏名を記載するようになっています。
そして、期日が来ればその手形は振出銀行に戻っていきます。
つまり、手形を使って商工ローンからお金を借りた場合、その時点でバレてしまうということです。

もし、その銀行で融資を受けていたらどうなるか?
銀行はすぐに資金の回収に入ります。
せっかく商工ローンでピンチを切り抜けたとしても、その時点でアウトです。

ですから、商工ローンで手形を使って借り入れする場合は、絶対に融資を受けている銀行の手形を使ってはいけません。

これは、融通手形の場合も同様です。
もし、銀行に融通手形をやっていることがバレたら、その時点で融資はストップします。
バレなくても、疑われただけでもアウトになることがあります。
ですから、融通手形の割引も、融資のある銀行では行わないで下さい。


4.商工ローンを利用した場合の経理処理はどうするか?

先ほど、銀行を使って商工ローンを返済することも可能だという話をしましたが、これはあくまで決算書上は、商工ローンで借りているという痕跡がないという大前提の話です。
決算書でバレてしまったのでは、お話になりません。

では、商工ローンを使った場合、どのような経理処理をすれば良いのか?

まず、手形を振り出した場合は、絶対にその仕訳は起こさないようにして下さい。
その仕訳をしてしまうと、支払手形の勘定科目に商工ローンの名前が載ってしまいます。
商工ローンからの入金処理は、仮受金か社長借入金として処理して下さい。
社長貸付金がある場合は、商工ローンからの入金を貸付金の返済という処理をしても結構です。
商工ローンの返済時には、再度、会社に貸し付けたことにすれば良いだけですから。

また、借りた時に差し引かれた金利は、雑費、もしくは販売費で処理して下さい。
正直に支払利息にしてしまうと、商工ローンから借りていることがばバレてしまう可能性があります。
全員がそうとは言いませんが、私が銀行員の頃は、借入金の末残で支払利息を割って、平均借入金利をチェックしていました。
この数字が異常値であれば、商工ローンを使っている可能性あり、ということで、融資取引を見合わせたものです。

いずれにせよ、商工ローンを使っているのが銀行にバレたら、その時点で融資がストップすると考えて下さい。
それ以後、数年は、銀行のみならず保証協会といった公的金融機関からの融資も受けることは出来ません。

非常に大切なことなので、細心の注意を払ってください。


● さまざまな金融機関の融資を使い回しする

これまで紹介した「融通手形」「商工ローン」といったやり方は、一歩間違えると取り返しのつかないことになる非常に危険な裏ワザです。
しかし、これから紹介する方法は、それほど危険性はありません。

むしろ、資金繰りにおいては、究極の裏ワザと言えるかもしれません。

それは、融資の返済額に応じて、返済が滞らないように、それぞれの商品の特徴を加味しながら、ローテーションで回していくというやり方です。

私は、この資金調達の方法を駆使して、数多くの企業を倒産から救ってきました。
ある意味、職人芸といえるかもしれません。

口で言うのは簡単ですが、これを可能にするには、金融機関のすべての商品に精通していなければなりません。
どの個人情報を閲覧するのか、提出書類は何なのか、決算書のどの部分を分析するのか、そうしたことを商品ごとに熟知して、順番とタイミングを見誤ることなく効率的に申し込む必要があります。

しかし、このやり方は、一旦ローテーションを組んでしまえば、ほぼ永続的に資金繰りに困ることはありません。
なぜなら、金融機関というところは、期日通りに返済している取引先に対しては、再度の融資が甘くなるからです。
借りれば借りるほど、信用がつくというわけです。

私のところに相談に来られる経営者のほとんどは、知識不足から一度融資を断られた方々です。
もちろん、その銀行には、最低でも1年間は融資をしてもらえません。
そうなると、せっかく数ヵ月後に大きな入金が入る予定だったとしても、それ以前に力尽きてしまいます。

そうしたことのないよう、資金計画はできるだけ早く見通しを立てることが大切です。
早ければ早いほど、その対応策は多くなります。

資金繰り表の作成も含め、早めの行動を取ることが、あなたの会社を資金繰り地獄から救うことになるのです。

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