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あなたは、見たくない現実を直視できるか!!
―たった一つの知識が会社の明暗を分ける―


これまでのお話でお分かりいただけたと思いますが、決算書に表示されている「利益」というのは「本当の意味での利益」ではありません。

決算書に表示されている「利益」というのは、「税務署が税金を取るための数字」に過ぎないのです。

ここに、税務署用決算書がいかに実態からかけ離れているかということを示す、具体的な例をあげてみたいと思います。



この貸借対照表を見て、どのように思いますか?

自己資本が4,000万円あり、一見イイ決算書のように思えます。
これを、実態に即した決算書に訂正してみます。

実態に即した決算書にする場合、ピンク色になっている科目に注意してください。
「売掛金」「商品」「短期貸付金」「仮払金」といった流動資産、「建物」「電話加入権」などの固定資産です。

まず、「売掛金」ですが、税務署用決算書には、すでにお金を受け取ることができないにも関わらず、まだ売掛金として計上されている金額が含まれていることが多々あります。
これはすでに説明した通り、税法上一度計上した売掛金を、貸し倒れとして処理することが難しいからです。

「商品」もすでに説明した通りですが、不良在庫が含まれている可能性があります。

次に短期貸付金・仮払金です。
これらの科目には、社長や役員へお金が流れている可能性があります。
本当に社長への貸付で、すぐに返してもらえるのなら良いのですが、多くの場合、そのお金は、社長の個人的な支出に使っているため、返してもらえるアテが少ない場合があります。
ここでは、仮払金と短期貸付金で、合計230万円ありますが、全額が返してもらえるアテのないものであれば、実体はゼロです。
ゼロになれば、右側の「資本の部」が、同じ金額の230万円少なくなります。
つまり、230万円の損が増えるということです。

土地・建物といった「固定資産」や、電話加入権などの「無形固定資産」も要注意科目です。
要因その1で説明したように、税法上と実態は全くかけ離れていると言っても差し支えないでしょう。
建物や車などの固定資産は、「今、売ったらいくらで売れるのか」という、実態にあわせた金額を把握する必要があります。
そして、実態の数字は、税務署用決算書の数字よりも低いことがほとんどです。

上記の視点で、実態の金額に修正すると、以下のような表になったとします。



そして、これを元に、実態に即した決算書に訂正してみると、以下のようになります。



自己資金が4,000万円あり、良い決算書だと思われていたのが、実は「債務超過」だったのです。

このように、実態に訂正してみると、「本当は債務超過だった」ということは、非常によくあることです。

経営者は、見たくない実態を見せ付けられることになりますが、重要なことは、その数字から、現状を知り、将来を予測することです。
経営者に大切なのは、「見たくない現実を直視し」、未来の存続のために、「必要な方策を、一刻も早く打つ」ということです。

あなたは、起業するくらいですから、その専門分野ではプロかもしれません。
しかし、残念ながら、「経営のプロ」ではありません。

経営のプロになるために必要な知識は、たくさんあります。
その中の一つが、「決算書」です。
「決算書」の数字に関する、たった一つの知識が、あなたの会社のすべてを変える時もあるのです。

「利益は出てるハズなのに、なぜお金は増えないのか?」
起業家であれば、誰もが疑問に感じることだと思います。
税理士に説明を求めると、「入金と出金のタイムラグがあるからだ」とか、「在庫が増えたからだ」とかいう答えが返ってきます。
確かに、その通りなのですが、根本原因はそこにはありません。
理由は簡単なことです。

「儲かっていない」のです。

決算書のルールにカモフラージュされ、儲かってもいないのに税金を払い続け、
「いつか良くなる」と甘い幻想をいだきながら、破滅への道を突き進みます。

会社の現状把握と、数字の意味を理解できていない経営者が、経営改善目標など掲げることができるはずもありません。
数字を当てはめて作成しただけの改善計画などは、単なる「数字遊び」に過ぎないのです。

経営の世界は、「見たくない現実」をしっかり見た者だけが、生き残ることができるのです。

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