ホーム > メインコンテンツ > 決算書・財務分析要因その4 納税・資金繰り
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● 要因その4 納税・資金繰り

■ 納税資金を意識する

「納税」という言葉を聞くと、多くの経営者の方は「決算期」をイメージすると思います。
決算期に利益が出ていれば、それに対し40~50%の税金を納めれば良いのだから、「支払いに困る事はない」と考えている起業家もいらっしゃると思います。
しかし、実際には、税金を支払うために借金をしなければならないことが、よく起こります。

これは一言で言うと、「決算書の数字」と「資金繰り」は別モノだということなのですが、起業間もない経営者であれば、ピンとこないかもしれません。

なぜ、利益が500万円も出ているのに、納税資金の300万円を借入しなければ支払えないのか。
このカラクリを説明すると長くなってしまいますので、ここでは話しませんが、会社が支払うべき税金の大きなものには、「法人税」と「消費税」があります。
また、税金とは少し色合いが異なりますが、従業員の給料から天引きしている社会保険料も納付の対象になります。

ここでは、「税金の支払い方法が、会社の資金繰りを圧迫する」という例を説明してみます。

法人税・消費税は、決算日の2ヶ月後が、納付日になります。
つまり、起業したばかりの会社であれば、最初の一年間は、納税義務がないということです。
2年目以降になると、前年の法人税・消費税の半額を中間納税しなければなりません。

「中間納税」とは、一年後に支払うべき税金の半分を前払いしておくということです。
つまり、起業2年目には、税金を1.5倍支払う必要があるということです。
もちろん、その期が赤字だとしても、税金は納めなければなりません。

前期同様、儲かっていれば問題はないのかもしれませんが、売上に浮き沈みがあるのがビジネスの世界です。
資金繰りが苦しいところにきて、多額の納税が発生したのでは、泣きっ面に蜂です。

納税できない場合は、税務署に相談して分割払いにしてもらうことも可能です。
しかし、その場はそれでしのげるかもしれませんが、後々この行為が取り返しのつかない事態を引き起こします。
金融機関からお金が借りられなくなるのです。

保証協会・国金といった公的金融機関はもとより、銀行でも、税金の支払いを滞納している会社に、融資は行いません。
「税金を完納していること」が、融資の条件の一つなのです。

これまで私は、税金の未納のため資金調達することができず、倒産していった会社を何社も見てきました。
それは決して、売上げに伸び悩んでいた会社ではありません。

前期の2~3倍の年商に成長した会社が、それゆえ増加した消費税を支払うことができず、志半ばで力尽きていったのです。

ビジネスというものは、「毎月一定の売上が、規則正しく計上される」というものではありません。
必ず、売れ過ぎたり、売れなさ過ぎたりします。

経営者は、「その売上が正常なものか、一過性のものか」の判断に頭を悩ませます。
一度判断を見誤れば、多額の不良在庫をかかえることにもなりますし、意味のない設備投資に多額の借金をかかえることにもなります。

経営で一番悩むのは、こうした判断です。
しかし、税務署はそんなことは関係ありません。
出た数字に税金をかけるだけです。
ですから、経営者は、常に納税資金を意識して経営判断をする必要があります。

納税を考えないで、決算書の利益だけを信じ、外車を買ったり設備投資を行うと、後で大変な事になってしまいます。
この点は、非常に大切なことですので、よく覚えておいて下さい。

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